「安倍官邸vsNHK」読了。この本は「記者の仕事術」に近い本。NHKはこれをドラマ化すべき。
こんにちは。¡Hola amigos!
以前、NHKに関する書籍を読んだが、もう一つ読んでみたい本があった。
sgtyamabuunyan.hatenablog.com
「安倍官邸vsNHK」。
この間、図書館で予約していたところ、別の方の返却が終わったということで借り、読了した。
ひとことで言えば、この本は「記者の仕事術」に近い内容だと思った。
安倍官邸、そしてそれに忖度したNHKの上層部からの圧力をつぶさに綴ったものかと想像したが、
- 取材対象に接触するときの心がけ
- 「クローズアップ現代+」制作部門との打ち合わせ
- 同僚・後輩記者とのエピソード
などに紙幅が割かれている印象。
実際、まえがきにもこう綴られている。
この本で私は、自分が森友事件をどのように取材し報道したか、そのプロセス、つまり記者の企業秘密を明かすことにする。(P10、太字強調は引用者)
たとえば、森友学園の当時の理事長に接触するときのエピソード。
この右翼と左翼で一芝居打とう。私が、松陰先生のことや安倍首相の地元のことなどを話して籠池氏の関心をひく。一方、平井記者*1は左翼的視点で、森友学園の教育方針や籠池氏の思想信条について問い質す。すると私は「先生になんて失礼なことを言うんだ!」と一喝。その一方で、「先生、大変失礼なことをお伺い致しまして申し訳ございません。ところで実際のところ、ただいまのお話はどのようにお考えでしょうか?」と、結局はそのことを聞くのである。(P21)
ここらへん、「刑事コロンボ」を彷彿させた。
あるいはテレビ朝日の「相棒」。
ほかにもいろいろ「記者としての面白エピソード」が綴られているので、その辺はぜひ本書を読んでもらいたい。
さきほど、「『記者の仕事術』に紙幅が割かれている」と綴ったが、むろん本書が綴る「森友学園問題」の本質を綴ることも忘れてはいない。
森友事件は森友学園の事件ではない。国と大阪府の事件である。こう言うと違和感を持つ方が多いかもしれないが、おかしなことをしたのは森友学園ではなく、むしろ国と大阪府の方だ。(P10)
そして、「国有地が格安で売却された問題」から、「理事長の補助金詐取問題」に変質・矮小化される経緯、そして著者自身が左遷、退職するまでのプロセスもきちんと綴られている。
NHKはこれをドラマ化すべきだと思う。
そして著者に謝罪すべきだと思う。
著者役は先ほど綴った「相棒」の「水谷豊」氏がいいかなあ。
それでは。
*1:引用者注、著者の後輩記者。本書曰く「真性左翼」。