離席できない状況が「ネット(ゲーム)依存」を生むような気がする。
こんばんは。Buenas noches!!
この間、牟田武夫の「ネット依存の恐怖」を読んだ。
…資料が古いというのもあるが、読めたものではないわ。
- CESA(コンピュータエンタテインメント協会)のことを「コンピュータエンターテインメント・トレーディング機構*1」なんて言っている。(P49)
- レアアイテムのことを「魔剣等の戦うための装備品のこと」なんて言っている。(P29)おいおい、それは単なる装備品であって、「装備品の中でも、強力で高級・希少とされるもの」と書くべきだろう。
- 「RPG等のシミュレーションゲーム」って、なんのこっちゃ。(P48)*2
ただ、単にゲームを悪者に仕立てようという為に執筆しているのでなく、彼らが「はまる」原因である「ラグナロク*3」に著者自ら入っていこうとする描写があり、その際に中学生の「先生」と対話するところがある。
その中の一文に、私は「お、これは…」と思わせる一文があった。
以下引用。
私「一日、十五時間くらいやっていたってことだよね? 何故そんなに出来るの?」
先生「やり始めたら、トイレにも行けないくらいだよ。うっかりしていると、後ろから、モンスターに切られて殺されることもあるし、仲間とともに戦っている時はミスが致命的にもなるし、チームを組んでいる時は戦いが終わらなければ、抜けることは出来ないし。やっていると、どんどん自然に巻き込まれていくよ」「一日、十時間以上やっていると、寝ている時、というか、目をつぶると、ゲームの画面が浮かんで出てくるよ」(P14-15、太字強調は引用者)
「やり始めたら、トイレにも行けない」…
「ラグナロク」とは趣が違うが、まさに私が昨年末までやっていた「戦国IXA」のことではないか。
- 合流攻撃に合わせるために、一時も離席することもできず起点の出撃を待たねばならない。
- 仕事や外出中はもちろんのこと、それこそトイレで離席している間に拠点が陥落してしまっていることもしょっちゅう。
- とにかく、合戦中は離席すら許されない雰囲気だった。
私は思うんだなあ。
多くのネットゲームが「離席すら許されないような設計」になっているために、「ネット(ゲーム)依存」を生んでいるのではないか、と。
ゲームだけではない。
LINEに代表される「コミュニケーションアプリ」もそうだ。
「既読無視」「既読スルー」をうっかりしてしまうと即村八分にされるから、ずっとスマホに張り付かなければならない。
そういえば明日のハートネットTVはまさに「ネット依存」を取り上げるんだっけ。
なお、今回紹介した本の「参考文献」に、あの「ゲーム脳の恐怖」があった…
それではまた。
*1:おそらく「CERO=コンピュータエンターテインメント・レーティング機構」のことを言いたかったのだろう。
*2:ただ、すべてのコンピュータゲームは「ロールプレイング(何らかの役割を果たす)ゲーム(RPG)」であり、「シミュレーション(疑似体験)ゲーム」といえるかもしれない。現スクウェア・エニックスも、シューティングゲーム「キングスナイト」を「RPG」なんて言っていたし。
*3:おそらくMMORPG「ラグナロクオンライン」のことだと思われる。